東京23区 議会ホームページの掲載情報【データ】
東京23区議会について、議会基本条例の制定の有無、議会広報紙の発行間隔、ウェブサイトに掲載されている主な情報など議会広報の現状について整理を行った。
議会基本条例の制定状況
東京23区のなかで議会基本条例を制定している議会は、荒川区と板橋区の二つの区である。
議会広報誌
基本の発行回数は定例会と同じ4回となっている。ただ、臨時会等が招集された場合は、議会広報紙も発行されることになる。東京23区の議会広報紙のほとんどが新聞紙型であるが、港区のみが雑誌型となっている。雑誌型は、地方議会に多い形式である。
ウェブサイトの掲載コンテンツについて
議会中継・録画と会議録検索システム
すてべの23区議会ウェブサイトにおいて装備されている。
議案に対する議員の態度・議案資料
議案に対する各議員の態度を掲載している区が4区、会派の態度は12区、そして掲載していない区は7区である。また、どのような議案であるかの説明資料が掲載されている区は、11区である。
議案の説明資料とともに、各議員の態度を掲載している区は、23区中3区にすぎない。
代表・一般質問
今回の調査では、代表・一般質問が掲載されていない区が7区あった。議会ウェブサイトで質問が掲載されていないとは意外であり、調査漏れではないかと心配になる。
政務活動費
政務活動費の掲載については4つのパターンがある。
- 政務活動費収支報告書・収支報告書、会計帳簿、領収書その他の証拠書類を掲載 1区(世田谷区議会)
- 政務活動費収支報告書のみ掲載 7区
- 一覧表に編集して掲載 3区
- 政務活動費の説明のみ掲載 12区
議会・議長交際費
- 掲載している 18区
- 掲載していない 5区
政務活動費収支報告書の掲載
今回の調査で、区議会ウェブサイトの掲載情報で注目すべきは世田谷区議会の政務活動費に関する情報の公開である。23区で唯一、政務活動費収支報告書・収支報告書、会計帳簿、領収書その他の証拠書類を公開している。昨今、地方議員の報酬・政務活動費が問題視されている状況を鑑みれば、世田谷区議会のような詳細な情報公開は必要不可欠と思える。税金を使っている以上、情報の公開は避けることができない。最低でも、政務活動費収支報告書・収支報告書、会計帳簿、領収書その他の証拠書類が公開されていなければ市民は政務活動費の使途についてチェックしようがない。
また、議案に対する議員の態度(賛否)については、23区議会の政党化が進んでいるとはいえ、各議員それぞれの態度を掲載している区が4区と少ない。これは、政党化がすすむ都市部ならではな現象であろうか。そうであるならば、政党化の進展は議会そのものをつまらないものにしているという面があることは否定できない。地方都市の議員の多くは無所属議員であり、議案に対して是々非々で臨んでいる。
結局、議会としての広報は、ウェブサイト、議会広報紙、議会中継、会議録検索など、システムは一定程度整備されつつあるが、そのシステムに上に載っているコンテンツは市民目線からすると、依然として情報不足であることを否めない。