政務活動費とは、地方議会の議員に政策の調査研究等の活動のために支給される費用である。使いみちは各自治体の条例できまっている。最近では、領収書をホームページで公開する議会の増えてきているが、私的利用が発覚することも少なくない。「第二の議員報酬」と呼ばれることもある。
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東京23区 政務活動費ランキング
2023年3月時点での23区の政務活動費の調査を行った。政務活動費の額は各区の「政務活動費の交付に関する条例」から引用した。
政務活動費ランキング(2023年調べ)
- 第1位 世田谷区 24万円
- 第2位 大田区 23万円
- 第3位 練馬区 21万円
- 第4位 江東区 20万円
- 第5位 渋谷区 20万円
- 第6位 江戸川区 20万円
- 第7位 品川区 19万円
- 第8位 板橋区 18万円
- 第9位 葛飾区 18万円
- 第10位 杉並区 16万円
- 第11位 足立区 16万円
- 第12位 千代田区 15万円
- 第13位 港区 15万円
- 第14位 新宿区 15万円
- 第15位 中野区 15万円
- 第16位 豊島区 15万円
- 第17位 北区 15万円
- 第18位 文京区 14万円
- 第19位 墨田区 14万円
- 第20位 目黒区 14万円
- 第21位 中央区 13万円
- 第22位 台東区 12.5万円
- 第23位 荒川区 8万円
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23区の人口・議員定数・報酬・政務活動費
2023年3月時点における23区の人口、議員定数、議員報酬、議員1人あたりの人口、政務活動費の調査結果
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23区議会議員1人当たり人口と政務活動費の散布図
月額の政務活動費は、最高額が世田谷区の24万円(※)であり、最小額が荒川区の8万円となっている。23区議会議員1人当たり人口と政務活動費の散布図を作成した。
直線から乖離している区は、渋谷区と荒川区である。渋谷区と荒川区は議員1人当たり人口がほぼ同じであるにもかかわらず、政務活動費の差が大きくなっている。
- 渋谷区 ⇒ 議員1人当たり人口から考えると、相対的に政務活動費が多い
- 荒川区 ⇒ 議員1人当たり人口から考えると、相対的に政務活動費が少ない
議員報酬は一定地域内(たとえば、この23区内)ならばある程度一定額に収束してもよいと思う。23区の公務員(職員)は同じ条件で給与規定がなされている。23区の議員がその地域に生活するうえで必要な額はそれほど地域差はないと思われるからだ(議員報酬=生活費)。
そのかわり、議員活動には多くの予算(政務活動費)をつけるべきではないか。議員としての活動の支出であるから、税金が支出されて当然である。個人的には納得できる。ただし、その支出にはきちんと説明することが必要である。現在のような政務活動の報告では多くの住民が納得することは難しい。
議会の機能として、行政の予算・決算のチェックがあるように、議員みずからの予算と決算をきちんと住民に説明することが望まれる。つまり、1円単位までの正確な決算を住民に提出することだ。ほとんどの議会が簡易的な報告書のみを公開している。自分の決算(議員活動として支出した額)を説明できない議員が、行政の予算・決算をチェックをするということは問題なのではないか。