東京23区議会データ

東京23区 議員報酬ランキング

東京23区 議員報酬ランキング

議員の報酬額については、最も住民に見えやすい部分であることから議員定数とならんで議会改革において最初に着手されることが多い。

ここでは、23区における議員報酬額を調べてみた。結論からいると、23区のなかでは、議員報酬額の差は大きくはない。議長・委員長ではない一般議員を比較すると、最大は月額62万1,000円の江戸川区であり、最小は月額58万4,100円の中野区となっている。その差は、36,900円である。年収換算すると最大745万2000円、最小700万9200円(期末手当を除く)。

議員報酬ランキング

  • 第1位 江戸川区  62.1万円 ⇒ 議員1人当たり人口2位
  • 第2位 足立区     61.9万円 ⇒ 議員1人当たり人口3位
  • 第3位 葛飾区    61.7万円 ⇒ 議員1人当たり人口9位
  • 第4位 千代田区  61.6万円 ⇒ 議員1人当たり人口23位
  • 第5位 練馬区     61.5万円 ⇒ 議員1人当たり人口4位
  • 第6位 北区     61.33万円 ⇒ 議員1人当たり人口12位
  • 第7位 世田谷区  61.32万円 ⇒ 議員1人当たり人口1位
  • 第8位 大田区     61.2万円 ⇒ 議員1人当たり人口5位
  • 第9位 新宿区     61.2万円 ⇒ 議員1人当たり人口11位
  • 第10位 港区     61万円 ⇒ 議員1人当たり人口18位
  • 第11位 江東区     60.7万円 ⇒ 議員1人当たり人口8位
  • 第12位 中央区     60.7万円 ⇒ 議員1人当たり人口22位
  • 第13位 墨田区     60.6万円 ⇒ 議員1人当たり人口14位
  • 第14位 品川区     60.5万円 ⇒ 議員1人当たり人口10位
  • 第15位 荒川区     60.1万円 ⇒ 議員1人当たり人口17位
  • 第16位 渋谷区     60.09万円 ⇒ 議員1人当たり人口20位
  • 第17位 板橋区     60万円 ⇒ 議員1人当たり人口6位
  • 第18位 台東区     59.9万円 ⇒ 議員1人当たり人口21位
  • 第19位 豊島区     59.8万円 ⇒ 議員1人当たり人口13位
  • 第20位 杉並区     59.57万円 ⇒ 議員1人当たり人口7位
  • 第21位 文京区     59.5万円 ⇒ 議員1人当たり人口19位
  • 第22位 目黒区     58.6万円 ⇒ 議員1人当たり人口16位
  • 第23位 中野区     58.41万円 ⇒ 議員1人当たり人口15位

23区議会議員1人当たり人口と議員報酬の散布図

議員報酬額は何を根拠に決定されるのであろうか。ここでは、23区議会議員1人当たり人口と議員報酬の散布図を作成した。これは、単純な考え方として議員1人が代表する住民の数が多ければ、議員としての仕事量が多くなるという考えからである。

画像  23区議会議員1人当たり人口と議員報酬の散布図
23区議会議員1人当たり人口と議員報酬の散布図

上のグラフを見ると、全体として議員1人あたりの人口が増加するほど、報酬額も増加している傾向が見て取れる。議員報酬は客観的な根拠があって決められたわけではなく、議員1人当たり人口や近隣自治体議会を参照しながら、相互に調整を進めてきた結果と推測される。


図中の直線の上部分にある区は、議員1人当たりの報酬額が相対的に高い区であり、他方、直線の下部分にある区は相対的に低いと考えることができる。
この直線から乖離している自治体は以下のとおりである。

  • 千代田区 ⇒ 議員1人当たり人口から考えると、相対的に議員報酬が多い
  • 目黒区・中野区 ⇒ 議員1人当たり人口から考えると、相対的に議員報酬が少ない

このグラフのみからの判断ではあるが、千代田区議会の議員報酬が他の22区と比較して、相対的にかなり高いことには違和感をおぼえる。千代田区の事例だけからすると、議員1人当たりの人口の多寡は議員報酬額とは無関係のように見える。1人当たり人口が多かろうと、少なかろうと絶対額として議員報酬が確保されるということであろうか。千代田区の事例からは、仕事量ということではなく、議員報酬が「生活費」であるということが金額の根拠だとも考えられる。または、千代田区の税収額に見合った議員報酬額ということも考えられる。

議員報酬額の根拠は様々であろうが、議員1人当たり人口、つまり仕事量として考えることもひとつだと思う。

期末手当

議員の期末手当の計算方法について確認してみた。議会によって掛ける数値は異なるが、通常以下のような式で計算されている。

  • 3月支給  月額報酬額×1.45×0.5(ヶ月)
  • 6月支給  月額報酬額×1.45×1.5(ヶ月)
  • 12月支給 月額報酬額×1.45×1.65(ヶ月)

たとえば、千代田区を例にすると以下のようになる。
『千代田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例(平成24年改正)』より

  • 3月支給  616,000×1.45×0.5(ヶ月)=446,600
  • 6月支給  616,000×1.45×1.5(ヶ月)=1,339,800
  • 12月支給 616,000×1.45×1.65(ヶ月)=1,473,780

※議員報酬の決まるプロセス

  1. 第三者機関である「報酬等及び区長等給料等審議会(略称;報酬等審)」にて審議
    ※「特別区人事委員会勧告」を踏まえた議論⇒人事院勧告から乖離した議論はなされない⇒人事院勧告が実質的な影響力を持っているとも考えられる
    ※審議会会議録は公開されている(例:千代田区における会議録リンク
  2. その内容を区長が条例提案
  3. 議会が議決
  4. 条例化

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