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東京23区 議員1人当たり人口・1票の重みの格差ランキング

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東京23区 議員1人当たり人口・1票の重みの格差ランキング

東京23区議会の議員1人当たり人口、言い換えれば1票の重みに関してデータの整理を行った(データ表は一番下)。

東京23区マップ

議員1人当たり人口の格差マップ

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議員定数(地方自治法の規定)

地方自治法では以下のとおり規定されている。
(第二編)
第91条 市町村の議会の議員の定数は、条例で定める。
(市に関する規定の適用)
第283条 この法律又は政令で特別の定めをするものを除くほか、第二編及び第四編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。

23区議会議員1人当たり人口ランキング

特別区という共通の制度で運営されている23区における議員定数は、その人口規模によって大きく異なる。そこで、議員1人あたりの人口を計算した(人口規模÷議員定数)。

議員1人あたりの人口規模が大きい区は、世田谷区の18,167人をトップとして、江戸川区の15,565人、足立区の15,436人となっている。逆に、小さい区は、千代田区の2,205人、中央区の4,815人、台東区の5,840人である。

人口規模に応じて議員定数(条例規定)は多くなっているが、人口規模と定数は単純な比例関係にはない。議員定数は、ある程度規模が大きくなると、それ以上は増加しないようだ(2011年地方自治法の改正により定数の上限は撤廃されたが)。人口増となっても定数増とはなりにくい。つまり、人口規模の大きな自治体ほど、議員1人あたりの人口が大きくなり、1人の議員がより多くの住民の声を代表するということになる。より多くの住民を代表することになれば、住民の多様性を反映することがより困難になる可能性がある。

理念的には市民の意見は市民の選んだ代表(首長と議会)を通じて表現されることになっているが、そう単純ではなく、代表は「本来できないことを世の中の約束事として、そう見なそう、という工夫(からくり)」のうえに成り立っているのである。しかし、”代表してみなす”ことができない状況になっていることが問題である。

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世田谷区では18,000人に1人の議員がいることにある。身近な地域の問題を議論する区議会議員が、18000人を代表していると考えることはまさに”からくり”である。基礎自治体の議員は、その自治体の方向性を決定するばかりではなく、地域の施設の使用料といった非常に細かい部分まで決定している。

  • 第1位 世田谷区 18,167人
  • 第2位 江戸川区 15,565人
  • 第3位 足立区 15,436人
  • 第4位 練馬区 14,545人
  • 第5位 大田区 14,232人
  • 第6位 板橋区 11,960人
  • 第7位 杉並区 11,744人
  • 第8位 江東区 11,157人
  • 第9位 葛飾区 11,142人
  • 第10位 品川区 9,523人
  • 第11位 新宿区 8,974人
  • 第12位 北区  8,549人
  • 第13位 豊島区 8,322人
  • 第14位 墨田区 8,100人
  • 第15位 中野区 7,723人
  • 第16位 目黒区 7,716人
  • 第17位 荒川区 6,559人
  • 第18位 港区 6,532人
  • 第19位 文京区 6,434人
  • 第20位 渋谷区 6,396人
  • 第21位 台東区 5,840人
  • 第22位 中央区 4,815人
  • 第23位 千代田区 2,205人
東京23区 議員定数と議員1人当たり人口のグラフ
  • 棒グラフ:定数(左軸)
  • 折れ線グラフ:1人当たり人口(右軸)
  • 議員定数 最大50人(世田谷区)、最小25人(千代田区)
  • 議員1人当たり人口 最大18,167人(世田谷区)、最小2,205人(千代田区)

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23区議会における1票の重みの格差

各自治体の条例に基づくものであるから制度的に問題があるわけではない。しかし、特別区という非常に狭く、共通の制度で運営されている地域において、約8倍の格差は議論すべき問題として提起したい。議員1人当たり人口の多寡は、1票の重みにつながる。

この格差を国政選挙と単純に比較することもできないし、地方議会は地域の特性に応じて独自(条例)で定数を決定するのであるから、もともと格差があることは当然ともいえる。異なる選挙であから問題視することが意味のないことなのかもしれない。ただ、23区という狭い地域の間にどれだけの地域差があるのか、議員定数の根拠とは何かを議論する意味がある。隣接する中央区と千代田区でさえ、2倍以上の格差がある。それほど地域特性が異なるのか。

1票の重さを23区で等しく場合の議員定数を考える

23区議会の議員一人当たり人口を並べたときに、中央にくるのが北区であり議員一人当たり人口は約8,500人である(中央値)。また、23区議会の議員一人当たり人口の平均を算出すると9,600人となる(平均値)。この中央値の8,500人と平均値9,600人をもとに算出した各区の議員定数が表1の数値となる。千代田区は6人、中央区は15~17人となり、世田谷区は95~107人にもなってしまう。

23区議会における議員1人当たり人口の平均値9,600人で議員定数を再計算したグラフ

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議員1人当たり人口を9,600人で固定して議員定数を再計算した。

逆に、23区中で最大値である世田谷区の議員1人当たり人口約18,000人を基準に定数を考えると、千代田区は3人、中央区は8人となる(世田谷区は50人)。世田谷区の議員の能力=千代田区の議員の能力を前提とするならば、千代田区は3人の議員で議会を構成することができるということにもなる。当然、3人では委員会を構成することができないので現実的ではない。ただ、極端な計算をすることは、自治体間の1票の格差を認識するうえでは意味があると考える。

議員1人当たり人口の多寡によて、市民の声が政策に反映されると市民が実感できるほど差があるのか。議員1人当たりの人口は、議会の広報広聴活動にも大きくかかわる問題ではなかろうか。1人当たり人口が3,000人と18,000人の議会において同じような議論ができるのであろうか。

23区議会のおける議員定数の中央値と平均値をもとに算出した議員定数

画像 23区議会のおける議員定数の中央値と平均値をもとに算出した議員定数

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これら中央値8,500人や平均値9,600人は住民の声を議会に反映させるという観点からの数字ではない。議員1人当たり人口が9,600人だから4,800人よりも2倍民意を反映しやすいという単純なものではないことは明らかであるし、地域民主主義という観点から議員1人当たり人口がどの程度が適切なのかを決定することは困難である。他方、各地域の定数は議会の歴史的な経緯から到達したものであるからは尊重すべきとの考え方もある。

議員定数の議論は終わることがない。民主主義の議論が終わらないのと同じである。感情的な議論は益少ないが、こういった現状を知ったうえで継続的に定数の議論をすることは有益であろう。議員報酬や政務活動費も、議員1人当たり人口をひとつの目安として決めるというのもひとつの方法だと思う。

 

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