選挙公報はどれだけ見られているか
選挙公報は、選挙期間中に新聞折込または各戸配付によって届けられる候補者の情報を知るために重要な情報である。この選挙公報は一体どの程度、有権者の目にとまっているのであろうか。
東京都は選挙後に実施した東京都議会議員選挙世論調査結果(平成25年)および東京都議会議員選挙世論調査結果(平成25年)から選挙公報の活用状況を整理した。
選挙公報は、地方議会選挙において候補者の情報を横並びで比較することができる唯一といってよい媒体である。にもかかわらず、以下の東京都による世論調査の結果から判断すると、重要な媒体が実は半分程度しか有権者に届いていないのである。
- 選挙公報は有権者の約50%にか届いていない
- とくに、若い世代には2割から3割の到達率である
- 23区部は、市部よりも選挙公報の到達率が低い
※平成28年の東京都知事選挙においては、選挙公報を目にしたかは、「目にした」(67.6%)、「目にしなかった」(22.3%)となっているが、ここでは知事選挙ではなく、議会議員選挙のデータを用いている。
東京都議会議員選挙 世論調査結果(平成25年)
選挙公報との接触
- 目にした 48.0%(新聞折込地区47.4% 各戸配付地区48.1%)
- 目にしなかった 36.8%
- わからない・忘れた 12.6%
- 無回答 2.6%
※新聞購読率が低下している中で、新聞折り込み地区と各戸配付地区で差がみられない
年齢別(目にした/目にしなかった/わからない・忘れた/わからない)
- 20歳代(30.1%/51.0%/17.6%/1.3%)
- 30歳代(36.0%/45.7%/14.6%/3.7%)
- 40歳代(49.4%/38.5%/10.5%/1.7%)
- 50歳代(51.0%/32.5%/14.1%/2.4%)
- 60歳代(60.1%/27.6%/8.4%/3.9%)
- 70歳代(60.7%/25.2%/11.2%/2.8%)
- 80歳代(47.1%/35.3%/17.6%/0%)
※20歳代、30歳代、40歳代が50%を割る水準にある
市郡部・23区部別(目にした/目にしなかった/わからない・忘れた/わからない)
- 23区部(43.5%/39.4%/13.6%/3.5%)
- 市郡部(57.5%/31.4%/10.5%/0.6%)
※23区部は、市郡部と比較すると、目にしている有権者が10ポイント以上少ない
2015年4月26日の統一地方選挙時の選挙公報
2015年4月26日の統一地方選挙は以下のようなスケジュールで行われた。
投票日の2~3日前に配付されたとしても、期日前投票の初日にはどうしても間に合わない。
期日前投票日の初日にしか投票に行かれない有権者は、選挙公報を見ることができないと推測される。