議員評価 議員の発言を時系列で確認する
客観的な評価指標
議会や議員の評価を行う際の客観的な指標として以下の項目が指摘されている。
- 本会議・委員会への出席回数(出席比率)
- 本会議における発言・一般質問(回数)
- 議員提案や議案の修正(各回数)
- 政務調査費の使途の公開
これらはいずれも、私たちが議員を相対評価するうえで、ひとつの指標となるものである。この数値に差があれば、議員に順位をつけることが可能だ。さらに、重要度に応じてそれぞれの指標に重みづけをするなどして総合点を算出することもできる。しかし、これらの指標は、あくまでも議員評価のために比較的容易に入手できる最低限の指標にすぎず、これらの指標だけでは、議員を評価することができないことは明らかである。これらの指標以外にも評価のためのモノサシが必要であることは言うまでもない。
主観的に評価するもの
では、市民が容易に入手可能で、かつ議員の政治信条や理念、ポリシー、品格、行動力を判断することができるものは何か?
それは、議員の公式の場での発言ではないだろうか。議員評価にあたっては、議会人としての発言が大切だと思う。言葉を扱うことが仕事であるからだ。議員の公式の発言の背景には、議員としての市民との対話や研究・調査といったそれぞれの努力や工夫(=議員活動)があるはずだ。行動の結果として得られたモノやコトを表現しているはずである。
私たちは、この発言をきちんと読む・聞くことから評価を始めるべきであろう。ただ、単発に議員の発言を読むだけでは不足である。議員の公式な発言を時系列にならべて読むことにより、個々の議員が持つ問題意識、追求テーマが明らかになり、それに対してどれだけ真剣に取り組んできたのかがわかるであろう。評価をするとは、どの議員に共感、賛同するか、また支持・不支持するかを決定することでもあるのだ。
会議録システムによる議員の発言
現在、議会ウェブサイト上には、会議録システムが連動している。日付、議員名、キーワードなどで検索することが可能である。しかし、現在の会議録システムは非常に読み見づらい。モニター上にテキストがぎっしり表示されて、とても読む気にならない。写真や資料でも載せてほしいいものである。
評価の点からすると、各議員を中心にデータの取得ができない。議員名での検索は可能であるが、現状では議員の発言を時系列に読むことが困難である。
議員ごとの発言が容易に抽出できる会議録システムはないのであろうか。できれば、市民がクリックを数回すれば、議員の過去の発言一覧をプリントアウトできるようなものがほしいものである。
議会中継動画の再編集
また、現在多くの自治体議会で議会のライブ中継や録画配信を行っているが、これは編集してもらいたい。閲覧には相当の時間がかかる。多忙な日常生活のなかで、あえて自分の時間を使って議会動画を見ようとする人のためには、議会側の配慮も必要であろう。できれば、議員ごとに分けて配信してもらいたいものである。
現在、議会公式ウエブサイトの標準的機能となっている会議録システムと議会中継システムは、議員評価という観点から、さらなる改善が必要であろう。