今回は、地方議会の改革の軸となっている議会基本条例について考えてみる。
議会フォーラムウェブサイトによると、2014年9月現在、議会基本条例を制定している自治体議会は571団体あり、全国の自治体議会全体の約3分の1程度になっている。この条例制定の目的のひとつに、議会と住民との信頼関係の構築がある。「どんな制度設計をしようとも、必ず代表というものは不十分にしか機能しない」という制度制のもとでは、議員・議会と住民との信頼関係が不可欠なものであるからである(代表性についてはこちらの記事参照)。
議会基本条例の中には、議会と住民との信頼関係の構築のために具体的な広報広聴活動(議会広報広聴)を規定しているものが多い。これまで自らの活動実態を公開することに消極的であった議会が、情報の公開を進めるとともに、市民の声を聴くことを市民と約束したという点において、それらの規定には大きな意義がある。もし議会が条例に規定される活動をしないことになれば、当然条例違反ということになることからである。これは将来にわたる議会活動を制約するものである。
もちろん、「議会基本条例の制定=議会改革が進んでいる」という構図が成り立つわけではない。議会基本条例を制定せずに議会改革をすすめている自治体議会も少なくない(そもそも議会基本条例を好まない議員も少なくないときいている)。
しかし、目に見える形で議会改革のかたちを示すことは、不信・失望が大きい昨今の自治体議会にとっては意味がある。市民の目には見えなくても、「議会改革をしっかりやっています」という言い訳は、もはや通用しなくなってきたのではないか。